この内容は高校数学とは違う発展的な内容です。
内容的にはそこまで難しいものではありませんが、習っていない記法などもあり、これができないと解けない問題はありません。
数学オタク以外は飛ばして結構です。
包絡線とは、ある曲線群に対して、すべての曲線とどこかで接するような曲線のことを言います。
例えば曲線群(ここでは直線群)y=2tx−t2の包絡線はy=x2
となります。(tに何個か値を代入してみて図示して確かめてみましょう!)
ここで有名事実を述べると、
曲線群f(x,y,t)=0の包絡線の方程式は
f(x,y,t)=0と∂t∂f(x,y,t)=0からtを消去した式である。
です。(証明略)
つまりは、y=2tx−t2に対し、f(x,y,t)=y−2tx+t2=0とおけば、
∂t∂f(x,y,t)=−2x+2t=0
∴y=2x2−x2=x2と求まります。
では例題を解いてみましょう。
直線群y=12t2x−16t3(t≧0)の通過領域を求めよ
直線群y=12t2x−16t3に対して、
tで偏微分すれば0=24tx−48t2
よって、tを消去してy=x3これが包絡線です。
よって、t≧0も考えると、通過領域は以下です。
{y≦0y≦x3(x≦0)(y>0)