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人口変化から宇宙の謎まで解析できる数理モデルについて: 例を交えて解説!

当たり前の推論を式に起こすことでミラクルが生まれます!

2025/03/31

数理モデルとは?

数理モデルとは、身近なものから壮大なものまでたくさんある「現象」を、数式としてモデリングすることです。

今回はそんな数理モデルの中で身近なものの例を挙げて紹介していきます。

数理モデルに使われる数学

人間がわかりやすいものは「変化」です。

ある箱に1秒2つみかんを入れていくとき、ある時間でのみかんの総数は?と聞かれると直感的にはわからないのではないでしょうか。

ですが、1秒あたりのみかんの増加量はと聞かれればそれは2つと瞬間的にわかります。

このように、人間は変化というものに着目すれば直感的に式を立てることができます。

そこで、使われる数学が「微分方程式」です。

微分方程式は、ある局所的な変化について記述した方程式で、これを解くことで解が求まります。

また、他にも比例の関係や反比例の関係がそのまま式になることもありますし、式が多くなり連立方程式になったとき、それを解くために線形代数を導入することもありますが、基本的には微分方程式です。

数理モデルの例

人口増加のモデル(ロジスティック方程式)

人口をxx人とします。 時間が経過すれば人口は変化するでしょうから、xxは時刻ttの関数です。

そこで、人口の微小変化dxdt\frac{dx}{dt}について考えます。

人口が多いほど変化は多いでしょうから、人口の変化はxxに比例すると考えられます。つまり、

dxdt=kx\frac{dx}{dt}=kx

とかけるでしょう。

しかし、人口は増えるほど人口の増加具合は緩やかになることを我々は知っています。

実際、日本の少子高齢化もそのような原因によるものです。

そこで、xxがある一定の値llに到達したとき変化が00(比例定数00)となるようにします。

つまり、x=lx=lk=0k=0

また、はじめは一定の比例定数ですから

x=0x=0k=k0k=k_0です。

すると、

k=k0(1xl)k=k_0(1-\frac{x}{l})

という風にかけるはずで、これを元の式に戻せば、

dxdt=k0(1xl)x\frac{dx}{dt}=k_0(1-\frac{x}{l})x

です。つまりdxdt=k0xk0lx2\frac{dx}{dt}=k_0x-\frac{k_0}{l}x^2

ここで、定数を簡単にすれば

dxdt=axbx2\frac{dx}{dt}=ax-bx^2

つまり、人口の増加率はその時点での人口に正の比例をし、人口の二乗に負の比例をする。

ということがわかりました。

この微分方程式はいろいろな解き方で解けます。

ベルヌーイの微分方程式の形なので、その手法で解くことができます。(今回は略)

魚の体重変化モデル(フォン・ベルタランフィのモデル)

魚の体重の関数をy(t)y(t)と置きます。

魚が吸収するエネルギーの量は直感的に魚の表面積に比例しそうだとわかり、消費するエネルギー量は体積に比例するとわかります。

体重は体積に比例するので、表面積というのは体重の23\frac{2}{3}乗に比例します。

よって、この式は

dydt=ay23by\frac{dy}{dt}=ay^{\frac{2}{3}}-by

この式もベルヌーイ型なので、それで解くことができます。

グラフはある点まで急上昇していき、そこから傾きがなだらかになりx軸と同じような形状になっていきます。

おわりに

身近なものを物理的なアプローチで解析するのは時に非常に難しいことです。

簡単な運動解析を行うためにはこのような直感から数理モデル化する方法も面白いと思います!

ぜひ皆さんも家で数理モデルを立ててみましょう!

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